今後益々普及するであろうセンサデバイスやIoTデバイスでは,バイタルデータ等の個人情報や機密性の高いデータの通信がより頻繁に行われるようになる.それらの情報を保護するためには,データを秘匿する通信が必須である.本研究で扱う物理層セキュリティは,従来からあるデータの暗号化といった方式と併用することで,データの秘匿性を劇的に高める手法である.中でも人工雑音や人工高速フェージングは電波を発しない受動盗聴局にも対応可能であり,本研究により,これらの手法を用いた際のエネルギー効率の向上,さらに秘密レート向上の実現性が明らかになれば,データの秘匿が必要な通信にとって非常に有用である.
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