研究課題
本研究は,交通信号機や交通情報板,車のヘッドライト・テールライトの発光ダイオード(LED)から送信されるデータを,高速度カメラに備えられたイメージセンサ(IS)で受信する可視光通信(Visible LightCommunication: VLC)において,その通信可能な範囲を拡大するための符号化技術と,異なるフレームレートで動作する高速度カメラ受信機が混在する今後のVLC環境において,異なる送信レートの情報系列を1つの送信機で収容する送受信方式を確立した.高度道路交通システム(IntelligentTransportSystems: ITS)に応用可能な新たな二次元通信路の確立に必要と考える2つの要素技術,具体的には,i) 二次元状に配置されたLEDアレイの送信機から,ピクセル解像度による限界で伝送距離が制限されるIS型VLCの通信可能範囲を拡大するための符号化方式の異なるフレームレートで動作する複数の高速度カメラ受信機に対して,それぞれの動作フレームレートに応じた速度でデータ受信できる変復調方式,ii) オクルージョン(遮蔽物)があった場合にも復調可能な送受信方式について,その適用範囲の拡大や基本特性を実証実験を通じて明らかにし,それらの技術によるVLC技術を,路車間・車車間を対象とするアドホックネットワーク(Vehicular Ad-hoc NETwork: VANET)で利用するためのアプリケーションを開発した.1つのLED交通信号機から複数の異なるデータストリームが送信され,道路上に複数ある車両(車載カメラ受信機)は,LED交通信号機からのそれぞれの距離(ピクセル分解能)に応じて,復号可能な受信ビット列数が増加する路車間通信が可能となった.したがって,提案方式によれば,受信機が送信機に接近するにつれて受信レートが高くなった.また,ITS応用の上では,データ通信が突然遮断されるのは望ましくないが,送受信機間が遠ざかっていくにつれて,徐々に受信レートが低下するような技術に応用可能となった.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
IEICE TRANSACTIONS on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E101-A ページ: 176-184
IEICE TRANSACTIONS on Communication
巻: E100-B ページ: 932- 940
巻: E100-B ページ: 917-925