本研究では逐次仮説検定および十分統計量との関連に着目したVFデータ圧縮法の解析および設計法の構築を目指した.特に,十分統計量を理論的に拡張し,漸近十分統計量なるものを定義し,これとユニバーサル符号との関連を理論的に調べた. その結果,Lempel-Ziv符号のバリエーションを含む,ブロックを切り出して符号化する種類のアルゴリズムから漸近十分統計量として分割木を取り出すことができた.さらに,この分割木を用いた二段階符号を構築し,このアルゴリズムがユニバーサルである,すなわち,様々な情報源クラスに対して漸近的に情報源のエントロピーレートを達成することを証明した.
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