| 研究課題/領域番号 |
15K06097
|
|---|
| 研究機関 | 北海道大学 |
|---|
研究代表者 |
富岡 智 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40237110)
|
|---|
| 研究分担者 |
宮本 直樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (00552879)
西山 修輔 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30333628)
梅垣 菊男 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40643193)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| キーワード | コンピュータトモグラフィー / 不完全投影データ / 時間的変動 / 重みつき再構成アルゴリズム |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究では，放射線治療時に呼吸等により時間変化する体内の状況を，低被曝で三次元的に取得できるコンピュータトモグラフィーの再構成アルゴリズムの開発を目的とした。
一般的なコンピュータトモグラフィーでは全周方向からのＸ線投影データが必要となるが，これをリアルタイム診断に応用する場合，被曝量が飛躍的に増加してしまう。時間的な変化がわずかであれば，各時刻においては，全ての投影データを取得せず，一部の方向からの投影データのみを取得し，それ以外の方向からのデータについては過去に取得したもので代用すれば，被曝量を抑えながらある程度の精度での再構成が可能となる。呼吸等の周期的な変動の場合も過去の同じ位相のデータも利用可能である。一方，時間的経過が大きいものや周期変動の位相のずれ大きいものを利用すると状態が異るので再構成結果に残像が現れてしまう。しかし，利用しない場合はデータが不足するため，体内組織の時間変化のない部分の再構成の分解能が低下する。これらを解決するために，昨年度までに投影データごとの再構成結果への寄与を与え得る重み付再構成アルゴリズムを開発した。
本年度は，時間変動モデルとして，呼吸等の周期的な運動しながら体内の一部の組織が時間的にゆるやかに縮小するものを想定し，周期運動の周期は体表面モニター等により実測できるものした。過去の数周期分の投影データを用い，その中で周期からのずれおよび経過時間に応じて重みを変化させ，シミュレーションを行った。その結果，期待どおりに，重みの考慮により残像の除去および縮小の様子を再構成することを確認できた。これにより，時間変動する対象でも，過去の投影データを併用により低被曝でモニタリングが実現できると言える。
さらに本年度は，複数のCPUを用いた並列化により高速化も図り，CPU の個数のおよそ0.7乗分の1に処理時間が短縮できることが解った。
|
