研究課題/領域番号 |
15K06101
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
萩原 義裕 岩手大学, 理工学部, 教授 (80293009)
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研究分担者 |
阿迪里江 依米提 岩手大学, 学内共同利用施設等, 特任研究員 (10726938)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | GCモデル / 3次元グラフィックス / 多視点 / 半自動 / インタラクティブモデリング |
研究実績の概要 |
当初予定通り新しいモデリングソフトの開発を主として行った.当然必要となる一般的なモデリング機能を含めたシステムを開発した.モデリングソフトは大きく分けてレンダリング(表示)機能とエディット(モデルの作成・修正)機能があり,それぞれマンマシンインタフェースが必要である.当初(申請時),これらは我々が開発したゲーム開発・教育用の開発環境をベースにシステムを構築する予定であったが,ゲーム開発環境Unityベースで開発することにした.その理由は,Unityのバージョンアップによりゲーム開発以外に3次元モデルを扱うソフトウェア全般に利用可能性が広がったためである.Unityはゲーム開発のデファクトスタンダードであり,近い将来3次元ソフトウェアの開発環境としてもデファクトスタンダードになることが予想される.したがって本ソフトウェアの将来的な改善の余地も大きいと考えている.Unity自体にまだバグも多く,開発は容易ではないが,一般的なモデリング機能の多くは基本開発を完了した.これらの機能は,ほぼすべてプラグイン化されており,一部の機能の改良変更がソフトウェア本体を改造することなく実装可能である.特にエディット機能は,モデリングソフト固有の独特の操作性が必要な部分が多々ある.これらは一つ一つが個別のサブシステムとして独立できるように開発することにより,他への転用が容易になる.現状,基本表示,マルチ画面表示,ファイル入出力,プロジェクトの生成,モデルフェイス生成,簡易プリミティブ生成,頂点等の選択と移動や回転などの機能を開発したが使い勝手の点で改良の余地は大きい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部の作業工程に遅延がある一方,別の工程は予想を超えて大きく進展した.したがっておおむね順調に推移している.遅延のほうは時代の潮流に合わせ,Unityベースで全く新しくシステムを開発したため一部の機能が未完成という点である.予想を超えて大きく進展したのは次年度作業を予定していた超並列化の部分である.Unityは超並列化が容易であり,遅延要因も進展要因もUnityベースで開発することに方針を変更したためであるが,将来の発展性を考慮するとこの方針変更は正しいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
今後はシステムの評価と改善を行う.改善の余地は高速化・多機能化・マンマシンインタフェースの改善の3点にある.このうち高速化に関しては一般的なC 言語やC#言語で作られたアルゴリズムをHigh Level Shader Languageと呼ばれる特殊なプログラム言語に移植することで実現する.High Level Shader Language で記述されたアルゴリズムはコンピュータのCPU を用いずグラフィックボードのGPU 上で超並列に計算されるため,比較的容易に高速化が可能である.多機能化に関しては,3次元スキャナからのデータ取り込み・我々が開発した自動メッシュ作成機能(および従来研究のリメッシュ機能)・および本研究の中核である半自動メッシュ作成機能・最後に一般的な手動による修正・変形機能,といった一連のサブシステムを盛り込んだ上で統合し,シームレスに利用できるようなマンマシンインタフェースの改善を行う.市販の一般的なモデリングソフトは3面図とひとつの自由視点しか持たないが,そのようなシステムでモデルの修正を行うのは難しい.複数の自由視点および主視点と副視点群の連動(ステレオカメラ同様視点を連動させたカメラ移動)といった,モデルの修正を容易にする機能を順次盛り込んでいく.
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