研究課題
本研究では、H27年度に「超圧縮センシング」と命名した従来の圧縮センシングの画質性能を向上させた新しい圧縮センシング手法の基礎構築を行い、H28年度に投影データの測定方向数を削減して低被曝や測定時間短縮を実現するスパースビューCTの画像再構成を想定したシミュレーション実験による評価を行ってきた。H29年度は、以下に述べる2つの新しい項目について研究を実施した。一つ目として、医療用X線CTと電子線CTの実画像及び実測定データを用いて、超圧縮センシングの有効性を示す評価実験を行った。その結果、超圧縮センシングでは、1) 画像の滑らかな濃度変化・テクスチャー・複雑な濃度変化を持つエッジの再現性が良く数値誤差を削減し視覚的に見やすい高画質の画像生成が可能、2) 従来の圧縮センシングより少ない方向数の投影データで十分な画質の画像が生成可能、などの長所があることが明らかになった。特に、電子線CTへの応用では、以前の研究で使用したハンダ材料に力を加え塑性変形を測定した時系列連続傾斜像から、毎フレーム僅か8方向の投影データで上手く画像再構成できた。二つ目として、新しい方向性と位置づけられる深層学習を応用して圧縮センシング画像再構成の画質性能・計算時間・使い勝手を向上させる新しい試みの研究を行った。具体的には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の処理が画像のエッジを検出して取捨選択する圧縮センシングと類似構造を持つことに注目して、事前に与えた劣化再構成画像と理想画像のペアから最適な画像を出力するCNN構造を学習して画質改善を行う手法を構築して、低線量X線CTと単光子放射型CT(SPECT)の画像再構成を行い、有望な見通しを得た。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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