近年、医療用CTや電子線トモグラフィー(TEM)において、圧縮センシング(CS)と呼ばれる新しい逆問題解法を応用して、少ない方向数の投影データや雑音が多い投影データから高画質で画像再構成を行う技術が注目されている。本研究では、「超圧縮センシング」と名付けた新しいCSの数学的枠組みを構築し、従来のCSの性能を向上させることを試みた。超圧縮センシングのキーは、CSにおいて非局所平均フィルタと呼ばれる画像の複雑な濃度変化を保存する性質が大きい非線形フィルタを利用してスパース性を評価する点にある。医療用CTとTEMの画像再構成に応用して、超圧縮センシングが既存のCSより画質性能に優れることを実証した。
|