本研究では,T形表面SH波センサを応用して,パイプや車軸などの曲面鉄鋼部材を用いた構造物において在姿状態での応力測定を検討した。R1000mmの円柱面部材に適用可能なクロスT形表面SH波センサを開発した。そして,円柱状の鉄鋼試験片に対し応力測定を行った結果,10MPa以内の精度での応力測定が可能であることを示した.また,このクロスT形表面SH波センサは,センサの曲率半径に対して85~170%の範囲で高精度な測定が行えることを確認した。一方で,互いに直交する方向に伝搬する二方向の表面SH波の伝搬音速を同時に取得することで温度補正の不要なシステムを構築し,その有用性を実験的に実証した。
|