研究課題
レーザー光照射によって血液が熱膨張することによって生じる超音波を用いた新しい医用イメージング法である光音響イメージングを用いて胎盤中の血液の酸素飽和度を計測する研究を行った.呼吸回数を変化させた動物モデルを用いて,胎盤の位置を超音波画像から確認し,その場所において光音響測定を行った.これと同時に血液ガス分析を行い,母体血の酸素飽和度を測定した.胎仔の心拍のパルスドップラーによるモニタリングも同時に行うことで,従来から行われている胎児モニタリングと光音響による胎盤の血液酸素飽和度測定の比較を行えるようにした.測定結果は引き続き収集と解析を進めていくが,母体血と胎盤の血液酸素飽和度の違いや,胎仔の心拍と血液酸素飽和度の相関関係について検討するためのデータが集まりつつある。従来から行われている胎児のモニタリングが胎児の状態をどの程度反映しているのか,また,光と超音波を用いた方法が将来的に可能になった場合にどのような情報を得ることができるのか等について,引き続き検討していく.
2: おおむね順調に進展している
動物モデルを用いた実験を行い,実際の生体からの光音響データを取得することができたことは重要な進展であった。画像再構成アルゴリズムについても引き続き検討を進めているところである。
生体内光伝播をシミュレーションし,実際に計測した光音響データから生体中の血液の光吸収の度合いを示す吸収係数の分布を定量的な画像として再構成することを目指す。動物モデルを用いた実験とその解析を進め,光音響を用いたモニタリングの将来的な可能性について検討を進める。
データ解析等のため,動物実験の予定を若干変更したため.
動物モデルと実験のための消耗品購入に使用する.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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