研究課題/領域番号 |
15K06137
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福島 宏明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (40377015)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 制御工学 |
研究実績の概要 |
実施計画に記載したように,操作者が1台のロボットに目標経路を与えることにより,ロボット群が通信による情報交換を行うことなくネットワーク構造の連結性を維持する手法,さらに周囲の障害物にあわせて群れの形を変え,狭隘な環境でも目標経路に追従する分散的な手法を提案した.提案した制御手法はサンプリング周期ごとに(i-1)つぎのサンプリング時刻でエッジを接続するロボットを選択するアルゴリズム,(i-2)選択されたロボットとの接続を維持し,なおかつ衝突回避を実現する制御入力を決定するアルゴリズム,の2つに大別される.(i-2)についてはロボットの移動方向の決定と,つぎのサンプリング時刻までの移動量の決定の2段階から構成されるアプローチを採用した.このように移動方向を先に決定することにより,全ての制約条件を満足する最大移動量を導出することが容易となり,従来研究で困難である障害物環境下で連結性と衝突回避を理論的に保証することが可能となった.また,従来研究で考慮していない障害物との衝突やLOSを考慮したアルゴリズムの構築を行った.(i-1)については,狭隘な環境では群全体の連結性を維持しながらエッジを除去してデッドロックを回復する一方,広いスペースでは凝集してエッジの接続を回復するアルゴリズムを構築する必要がある.そのため,ロボット間通信を行うことなく,各ロボットが局所的な計測情報のみを用いて,群全体の連結性を維持しながらセンシングリンクを除去するアルゴリズムを提案し,シミュレーションにより有効性を示した.さらに,次年度以降に取り組む予定の協調運搬アルゴリズムの構築にも着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究目的を達成するアルゴリズムを提案し,シミュレーションによる有効性検証まで行うことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり,今後はロボット群による協調運搬,実機実験による有効性検証を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降の実験検証の準備のために必要な移動ロボットを,不具合が生じた場合の予備1台も含めて購入予定であった.しかし,アルゴリズム開発の進展が予定より少し早かったために追加の経費が生じる可能性もあったことから,予備1台の購入を延期したため.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に購入予定であった移動ロボットは,次年度分とまとめて購入する.
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