部分空間同定法により推定されたシステム行列の推定誤差の大きさを考察した。まず、PO-MOESP法により求めたシステム行列の推定誤差の陽な形の式を導出した。これにより原理的には推定値の分散を計算することが可能となった。しかしながら、分散を推定するためには、先に求めたシステム行列のほか、カルマンゲインとイノベーション過程の共分散行列を推定する必要がある。筆者の知る限り、部分空間同定法の枠組みにおける、これらの一致推定値はまだ存在しない。そこで、これらの一致推定値を求めるための問題を線形行列不等式を用いて定式化し、これらの一致推定値を得た。
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