本研究の目的は、システム制御理論に基づき量子状態変換のための設計理論を構築することである。対象系に応じて次の成果を得た。(1) 多入力多出力線形系について、完全状態転送の必要十分条件と実行プロトコルを明らかにした。また、この成果を量子光スイッチ設計へ応用した。(2) 典型的な無限次元系であるGradient Echo Memory について、必要な入力波形、転送精度の離調依存性などを明らかにした。(3) 非線形qubit結合系について、完全状態転送の必要十分条件と実行プロトコルを明らかにした。(4) 1入力1出力線形系について、入力パルス波形の複雑さを軽減するプロトコルを開発した。
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