本研究では,塩害で劣化した橋の力学性能や冗長性を実験的検討により明らかにした。まず,複雑な配筋の替わりに繊維補強モルタルを用いた小型のRCはりを作製して載荷試験を行った。その結果,一般的なスケールを有するRCはりと力学的な矛盾がないことを確認した。その小型はりを電食試験に供して,塩害劣化を模擬した試験体を作製した。それらについて載荷試験などを実施した結果,一般的な鉄筋腐食の生じたRCはりと同様の力学挙動を示すことを確認した。さらに,そのはりを複数連結して,通常の橋梁上部工を模擬した載荷試験を行った。その結果,腐食量が10%程度のはりが複数連結されていても,力学挙動は大きく低下しない結果を得た。
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