酸塩基反応で硬化するマグネシアリン酸塩セメントとして,ドロマイトを焼成して得られる半焼成ドロマイト(MgOとCaCO3の混合物)を用いたMgO/CaCO3-KH2PO4-H2O系セメント(以下,DK系と略称)を開発し、従来の硬焼MgOを用いた系(MK系と略称)と比較、検討した。DKセメントはMKセメントと同様に主な水和物はKMgPO4・6H2O であり、低アルカリ性を示し、Pbの固定が可能であった。なお、半焼成ドロマイト利用によるマグネシアリン酸塩セメントの提案は世界初である。わが国では、ドロマイトは経済的に入手可能であり、わが国保有の資源の有効利用が可能な機能性セメントを提案できた。
|