研究課題
コンクリートポール(電柱)やプレキャスト枕木などのコンクリート製品(PCa・PC製品)では,蒸気養生やオートクレーブ養生を実施しており, コンクリートの配合と使用・環境条件により,アルカリシリカ反応(ASR)とともに遅延型エトリンガイト生成 (DEF)によるひび割れ発生の危険性が高まることが知られている。近年,東南アジアやインドなどの諸国では,ASRとDEFによる複合劣化事例が2, 3報告されている.また,北陸地方や東北地方,北海道などの積雪寒冷地では,凍結防止剤(NaCl)の散布下での塩害とASR,凍害との複合的な劣化現象も発生しており,それらの効果的かつ合理的な対策の提案も強く求められている。さらに,北陸地方では,コンクリートポールやプレキャスト製品などのにおいてASRとDEFによる複合的な劣化がすでに確認されており,それらの劣化現象の実態把握と経済的な抑制対策の確立が強く望まれている。その一方で,北陸地方では,フライアッシュの原料炭の選別とその分級化により,ポゾラン反応性が良好で,かつ微細な粒径(平均粒径:7ミクロン)をもつフライアッシュ(分級フライアッシュと呼称)の供給体制(北陸地方の2つの石炭火力発電所より年6万トン生産)が地域全体で整備されてきた。そこで本研究では,北陸地方で製造されたコンクリートポールやプレキャスト製品のASRおよびDEFによる劣化現象の実態調査結果(平成28年度までに実施済み)に基づき,コンクリート製品工場でのフライアッシュコンクリートの標準使用を目指すことにした。さらに,北陸地方におけるフライアッシュコンクリートの使用を拡大するために,PCa・PC製品におけるASRおよびDEFによる複合的な劣化現象のメカニズムを解明し,フライアッシュの標準使用による抑制対策を提案することにした。
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