研究課題
積雪寒冷地におけるコンクリートは苛酷な環境条件下にあると言える。コンクリート製品や構造物は凍結融解作用の繰り返しとNaClを主とする凍結防止剤の散布によって、スケーリングや崩壊している個所も多く見かける。積雪寒冷地ではこれらの複合作用の劣化に抵抗できる高耐久性能を持つコンクリートの開発が急務となっている。本研究では、道路付帯の歩車道ブロックを研究の対象として取り上げ、従来工法と透水型枠工法による表層部の強度、凍結融解抵抗性、スケーリング抵抗性について実験的に研究を行ったものである。2種類の透水シートを用いた透水型枠工法により表層部を緻密化させ、凍害と塩害の複合作用を受けた劣化抵抗性について明らかにしたものである。透水性シートを用いた透水型枠工法により歩車道ブロックの表層強度やスケーリング抵抗性について実験的に検討した結果、次のような知見を得ることができた。(1)透水型枠工法により施工した表層部の強度は通常施工に比べ1.1~1.3倍程度の向上が見られた。(2)歩車道ブロックを4分割に切断して行った凍結融解試験において、質量減少率と相対動弾性係数に大きな変化は見られなかった。(3)透水型枠工法を適用した供試体のスケーリング抵抗性は高く、寒冷地コンクリート構造物の長期耐久性に高い向上効果のあることを明らかにした。
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第44回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集
巻: 1 ページ: pp.35-40
CHANGES OF FROST DAMAGE RESISTANCE AND AIR VOIDS STRUCTURE OF LPC-FA CONCRETE ACCORDING TO CURING PERIODS
巻: 1 ページ: pp.281-288
42nd Conference on Our World in Concrete & Structures
巻: 1 ページ: pp.135-141
Vol.70、セメント・コンクリート論文集
巻: 1 ページ: pp.384-389
第43 回セメント・コンクリート研究討論会論文報告集
巻: 1 ページ: pp.63-66