研究課題
カメラ・画像操作のみによるマルチコプターの操縦システムの開発を行うにあたり,より実用レベルで適用可能となる大型のマルチコプター(enRoute PG400)がエンルート社から貸与された.これまでに研究室内で開発していた小型マルチコプターに対する自律ホバリングシステムをPG400 に適用し,同等のホバリング飛行制御が可能であることを確認した.また,第1期の研究計画にあげていた,Webカメラにより撮影された画像内に描いたフレームの大きさを変えることでマルチコプターをカメラから遠ざかったり近づいたりさせる飛行も実現できた.また,第2期で実施を計画していた屋外における自律ホバリング飛行も同提案システムにより実現可能であること,さらには屋外においてカメラ方向から遠ざかる・近づく飛行も可能であることが実機実験により検証された.基礎実験に関して国際会議で1件,国内会議で2件発表するとともに,マルチコプターの編隊飛行に関する基礎実験に関する内容を国内会議で1件発表した.さらに研究成果を広く紹介するため,国際ドローン展,東京エアロスペースシンポジウム,国際ロボット展,ジャパンドローン展にてビデオ映像を用いて実験動画を紹介した.また研究成果が2015年11月13日の日刊工業新聞(第7面)にて,2016年3月30日はMONOist(Web媒体)にて紹介されるなど,注目を集めた.展示会発表を行うことで,高速道路管理会社や建設業からも技術的な問い合わせを受け,高速道路管理会社では本システムを用いた実証実験を実施した.
2: おおむね順調に進展している
研究計画の第1期にあげていた,実用レベルで適用可能なマルチコプターを用いた屋内・屋外での自律ホバリング制御,並びに屋外でのカメラに向かって遠ざかる・近づく自律飛行制御も達成できたことから,研究は順調に進展しているといえる.さらに高速道路管理会社において実証実験を行えたことは,本研究が順調に進展していることの証左である.
高速道路管理会社における実証実験において,現システムで用いているWebカメラではカメラ性能が不十分であることが判明したため,デジタル1眼レフカメラに置き換えて実証実験を行う準備をしている.また画像処理を専門とする企業に学生を派遣し,より高度な画像処理技術を用いることができるように研修を行うとともに,企業との結びつきを強めた.自律飛行制御に関しては,より高精度かつロバストな制御が必要となるため,画像処理技術を高めるとともに制御則についても見直しを検討している.基礎実験においては小型のマルチコプターを用い,充分に検証したのちに大型のマルチコプターへ適用する方法をとる.また,企業との結びつきを強化し,本提案システムの実用化に向けて共同研究を加速する所存である.
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
International Journal of Mechanical, Aerospace, Industrial, Mechatronic and Manufacturing Engineering
巻: 9 ページ: 835-840
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