研究課題/領域番号 |
15K06185
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
佐藤 和也 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30284607)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マルチコプター / 画像処理 / 自律飛行制御 |
研究実績の概要 |
第3期では引き続き,カメラ・画像操作のみによるマルチコプターの自律飛行制御システムの開発にあたった.第2期で明らかになったように,橋梁下ではコンパスによる情報が使えず,マルチコプターのYaw軸も自律制御する必要があるため,これまでに開発したマルチコプターの3次元位置制御とYaw角の合計4軸の制御を1つのカメラのみを用いて自律的に制御する実機実験を進めた.第3期では4軸の制御を行いつつ,カメラに対して奥行き方向に自律的に飛行できるよう制御実験を進めた.今期では屋内のみでの実験にとどまっているため,研究期間を延長して屋外での実機実験に取り組む予定である.さらに橋梁下点検での活用を意識し,2つのカメラを橋梁上から吊り下げ,その2つの映像を1つの座標系に統合し,2つのカメラ映像内をマルチコプターがまたいで自律飛行させることを想定し,それを実現する制御システムを構築し,小型マルチコプターを用いて実機実験を行い,提案手法の有効性を検証した.またマルチコプターに搭載したカメラ映像により注目する物体を機械学習により認識し,注目物体の真上を自律的にホバリング飛行制御できるシステムを構築し,実機実験により有効性を検証した.実機実験に関する研究成果を国際会議で1件,国内会議で4件発表した.さらに研究成果を広く紹介するため,Facebookの研究室ページ,Youtubeの研究室チャンネル,Japan Drone 2018にてビデオ映像を用いて実験動画を公開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の第2期にあげていた,実用レベルで適用可能なマルチコプターを用いて,屋内・屋外でのホバリング自律飛行制御,並びに屋外においてカメラに向かって遠ざかる・近く自律飛行制御が達成でき,さらに4軸同時に自律飛行制御が達成できていることから研究計画は順調に進展していると言える.また複数カメラの画像内でのマルチコプターの自律飛行,機械学習に基づくマーカー認識による自律飛行制御システムの構築など,新たな発想による実機実験も進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
現時点ではROSを用いてより高速な画像処理が行えるようにシステムを変更する準備を行なっているが,画像処理に関してGPUボードを利用した処理の高速化に手間取っているため,研究期間を延長して取り組む所存である.また,複数カメラの画像内をまたいでマルチコプターが自律飛行を行う実験や,マルチコプターに搭載されたカメラ映像により,地上に置いた物体の特徴点のみを認識して自律ホバリング飛行し,さらに物体の移動に同期してマルチコプターが自律飛行を行うシステムについてもさらに開発を進める予定である.提案システムの実用化に向けてさらに研究を行う所存である.
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次年度使用額が生じた理由 |
第3期で開発を進めた4軸同時自律飛行制御を,カメラに対して奥行き方向についても自律飛行制御する実験を実施したが,屋内のみでの検証に留まった.そのため屋外にて実験を実施し,研究成果を公表するために必要な経費を繰り越すこととした.
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