研究課題/領域番号 |
15K06189
|
研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
谷口 望 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (90318791)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 構造工学 / 環境対策 / 騒音振動 / 鋼鉄道橋 / 粒子速度 / 制振材 / ポリマーセメントモルタル |
研究実績の概要 |
研究を開始するに当たり,粒子速度を計測できる粒子速度計を購入し,計測が可能であることを確認した.また,計画書に記載されている実際の鉄道構造物の測定検討にあたっては,上毛電鉄・粕川橋梁(群馬県前橋市)付近で実施することとした.本計測場所が適している理由としては,鋼橋および盛土の両区間が近接しており同時に計測が可能であること,付近に大きな建築構造物などの障害物が少なく騒音計測に適していること,代表者が勤務している前橋工科大学に至近距離であること,である.本計測は2015年10月に行われ,鋼橋に対しては制振材の有無について無事に計測を終えている.ここで,使用する制振材については,研究協力者である鉄道総合技術研究所から借用したが,近年製品の改良がおこなわれていたこともあり,新旧2種類の制振材に対して計測を行うことができた.本事象により,有益なデータサンプルは増加したものの,計測費用は当初計画よりも多くなった. 一方,平板供試体による計測については,供試体を作成した.供試体作成費用は,当初は科研費件名で製作する予定であったが,上記の実橋測定に多くの予算を要し,また鋼材の価格高騰も影響したため,大学の教員研究費により作成を行った.本供試体による計測についても,順次進めているところである. 研究の進捗にあたっては,連帯研究者である小林理学研究所のほか,早稲田大学,東日本旅客鉄道,鉄道総合技術研究所と密に打ち合わせを実施した.また,研究結果の一部は,土木学会論文集や土木学会関東支部発表会に投稿した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に示された項目は,ほぼ実施している.しかし,研究実績記載の通り,当初よりも計測項目が増加したことと,供試体鋼材の価格が高騰したことより,一部,前橋工科大の教員研究費を充当して進めている部分がある.現状で2016年度実施分についても準備はできているため,2016年度の実施項目も順調に進展する予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
2016年度は計画書に示されている通り,平板供試体による計測をさらに進捗させる.本結果は,実際の構造物における計測結果と合わせて,騒音評価法の検討を行う予定である.また,制振材については当初の計画よりも種類が増加したため,2015年度には実施することができなかった,ポリマーセメントモルタル被覆についての評価も実施する予定にしている. 研究成果は,順次公表することを予定しており,土木学会や海外での学術会議に公表する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも計測項目が増加したこと,供試体の作成費用が材料費高騰により増加したことにより,一部の予算を前橋工科大学教員研究費により充当した.その結果,多少の予算変更が生じ,結果として次年度使用額が生じた.
|
次年度使用額の使用計画 |
本予算は,2016年度に実施する予定である計測に充当する予定である.本計測にあたっても,昨年度と同様に,計測項目が増加する予定であるため,本予算を有効に活用できる予定である.
|