研究課題/領域番号 |
15K06189
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研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
谷口 望 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (90318791)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 騒音対策 / 振動対策 / 制振材 / 鋼鉄道橋 / 環境評価法 / 粒子速度 |
研究実績の概要 |
H27年度に実施した実橋梁での騒音振動測定結果の分析を進め,橋梁の構造物音の寄与度について改めて検証を行い,併せて実施する平板衝撃試験の結果とのリンク方法について,解析的なものを含めて検討を行った.また,H27年度に供試体作成していた平板試験について試験を実施した.本試験では,粒子速度計による粒子速度計測を行う点が新しく,このデータを従来からの加速度,騒音との間を結ぶ新しい理論の構築方法について検討を行った.本試験は,騒音振動対策の有無をパラメータとしており,さらに,騒音振動対策は制振材を2種類を用いて試験した.本試験の結果,従来測定されてきた騒音と振動には相関性が厳密ではない結果となることが多かったが,粒子速度という新しい指標を用いることにより,それらを結びつける新たな観点から理論的に説明できるようになる予定である. また,H28年度には,H29年度検証を予定しているポリマーセメントモルタルを活用した対策の試験に向けて,供試体作成作業を行った.本供試体作成は無事に完了しており,H29年度早々に試験を実施する予定にしている. 研究成果は,土木学会全国大会や鉄道マネジメント研究会に投稿するとともに,国際会議IABSEにも一部成果を投稿した.なお,当初投稿する予定であった国際会議ASEA-SEC-3については,開催箇所がイスラム圏のマレーシアであり,バングラディッシュでの事件から安全性に疑問があったことから,投稿および発表渡航を見送った.本成果公表の代わりとして,H29年度にデンマークで開催されるEUROSTEEL2017に投稿・発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究としてはおおむね順調に推移しているが,ポリマーセメントモルタルの検証についてはH28年度実施予定であったものがH29年度初頭に変更した.これは,制振材の検証を2種類と倍増させたためであり,試験が遅れているものではなく,さらなる多くのデータを集めることを考えたためである. また,研究成果の公表としては,国際会議ASEA-SEC-3に投稿していたが,イスラム圏のマレーシアでの開催であり,安全性が懸念される地域であったため,査読完了後に取り下げた.この代わりとして,H29年度は2件の国際会議に投稿を予定していおり,研究成果としては減少するものではない.
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は,研究の最終年度であることから,残っている試験を早々に実施する予定である.検討結果はFEMによる解析的検討を行いながら整理を行う.また,今まで行ってきた試験の総括を行い,より確実な騒音振動対策の環境評価指標の構築を行う予定である. 研究成果の公表としては,査読付論文である鋼構造年次論文への投稿を予定している.さらに国際会議では,昨年度見送った分として,EUROSTEEL2017(デンマーク)に投稿中であるとともにH29年度分としてIABSE(カナダ)に投稿を予定している.その他にも,年度内に積極的に成果報告を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,国際会議投稿および発表渡航分として経費を計上していた.この国際会議はH28.11に行われるASEA-SEC-3であり,論文を投稿し査読も完了していた.しかし,発表場所がマレーシアのクチンであり,イスラム圏であることから,安全性への懸念から投稿を見送ることとした.そのため,本費用を次年度へ繰り越すこととした.
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次年度使用額の使用計画 |
H28年度に投稿できなかった分を,H29年度開催の国際会議EUROSTEEL2017(デンマーク)に投稿することとした.本投稿費用および渡航費用を昨年度からの繰り越し分で対応することとした.
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