研究課題/領域番号 |
15K06194
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
安 同祥 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20530588)
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研究分担者 |
清宮 理 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50298139)
林 偉偉 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60623585)
依田 照彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70112993)
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研究期間 (年度) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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キーワード | 地盤の液状化・流動化 / 橋台の耐震補強 / 模型振動実験 / 数値解析 |
研究実績の概要 |
2015年度は数値解析法にて地震時不安定地盤の液状化現象を再現して不安定地盤の液状化による橋台の耐震性能への影響を検証した。この検証結果に基づき2016年度の実験模型を設計し、実験結果の予測を行った。また、ゆるい地盤に設置した橋台の耐震性能および耐震補強工法について動的解析結果に基づいて分析した。 橋台は橋梁の上部構造を支えていると同時に裏にある道路などの保持機能もしている。ゆるい地盤に設置した橋台の耐震性能は上部構造よりも裏込め材からの影響が大きいという事が数値解析で判明した。これで、橋台の耐震補強について如何にして地震時裏込め材からの影響を低減することができるのは重要となる。 グラウンドアンカー工法と橋台の裏からの土圧を低減するために杭を新設工法にてゆるい地盤にある橋台の耐震補強効果について動的解析法で検証した。グラウンドアンカー工法は上部構造位置での最大応答変位だけではなく残留変位も低減する事ができる。また、杭本体の曲げ変形およびせん断力の応答値にも抑えることができる。橋台の背面に杭を新設した場合橋台に作用する土圧を低減すると同時にゆるい地盤の補強にもなって、構造の最大水平応答変位を低減した。また、竪壁の下端と杭頭付近のせん断力が大きくなったが杭の地層変化位置での断面力集中を大幅緩め、杭の曲げ変形とせん断力を大きく低減した。これらの結果は国際構造工学会 2016広州国際会議(IABSE Conference Guangzhou 2016)と土木学会71回(2016)年次講演会で紹介した。 2016年度は前年度の数値解析結果を基に、模型振動実験および実験結果の数値シミュレーションを実施し、地盤の液状化による橋台の耐震性能への影響および数値解析モデルの妥当性などについて検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の補助金は昨年10月に下りたが、研究としては昨年の4月から数値解析モデル・耐震補強工法の検討などの準備作業を実施してきたので研究はおおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度は前年度で設計した地震時不安定となる地盤およびその地盤に設置する杭基礎を持つ橋台模型の製作・模型振動実験の実施としている。模型実験は現況(無補強)と耐震補強した二つ通りとする。現況では地盤の液状化・流動化現象および液状化・流動化が構造物耐震性能への影響を再確認するために地盤・構造物の振動特性および相似則で周波数を調整した正弦波の振幅暫増段階載荷するケースと地盤の余震による再液状化・流動化から構造物の耐震性能への影響を調べるための本震載荷・余震載荷ケースとする。耐震補強についてはグラウンドアンカー工法、背面の土圧を低減する新設杭(鋼管矢板)および裏込め材を軽量化する工法の3ケースについて実施する。 模型実験に先たち、数値解析法にて実験用模型および実験結果を予測すると同時に問題点をあぶり出し実験のトラブルを回避し結果の信頼性を向上する。
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次年度使用額が生じた理由 |
この金額は模型実験用の模型製作に使用するとしている。本研究課題の補助金は昨年10月に下りたので実験用模型の製作に間に合わなかった。今年度の実験模型に使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
この金額は今年度の地盤・構造物の模型製作に使用する。実験模型は液状化地盤と無補強の既設橋台、液状化地盤とグラウンドアンカーによる補強した橋台、液状化地盤・橋台と橋台背面の土圧低減のために新設した杭(鋼管矢板)および液状化地盤・橋台と橋台背面の土圧低減のために軽量化した裏込め材の4通りとしている。
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