本研究は,海塩粒子濃度の現地計測と異なる空間スケールを持つ数値実験を組み合わせ,鋼橋に付着する塩分量を推定することによって,鋼材の腐食状況(外観評点)との比較を行い,数値実験の予測精度を検証した.具体的には,海岸からの海塩粒子濃度を予測するWRF-Chemを用いて,対象橋梁付近の塩分及び風況を予測し,その結果を入力値として,オープンソースであるOpenFoamを用いて,対象橋梁内部における塩分付着量の分布状況を推定した.その結果,数値実験によって推定される付着塩分量が多い箇所では,腐食状況が悪く,外観評点が低いことが確認できた.
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