研究課題/領域番号 |
15K06203
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
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研究分担者 |
市野 宏嘉 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (70760982)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 飛来物衝突 / 局部破壊 / 全体破壊 / 耐衝撃設計法 |
研究実績の概要 |
近年、気候変動や火山活動の影響を受けて、短期的な発生予測が困難な竜巻、火山噴火が増加傾向にある。衝突速度数十~百m/sの竜巻飛散物、噴石に対しては、公共構造物としての退避施設の設置あるいは重要公共構造物には退避シェルターが不可欠であるが、このような防護構造物の研究は全く行われていない。本研究は、衝突速度50~100m/sの衝突を受ける防護構造物の耐衝撃設計法を提案するとともに、既設構造物に対する効果的な補強方法や緩衝材の開発を行う。このため、実験および解析によって、衝撃作用により局所的に入射される応力波と構造部材の変形・振動との関係性を理論体系化し、衝突作用を受ける鋼製および鉄筋コンクリート板部材の変形・破壊メカニズムを解明する。また、既設構造物を対象として、効果的な補強方法や緩衝材の提案を行うものである。 今年度は、主として数値解析に基づいた破壊モードの推定法およびエネルギーの散逸について検討を行った。検討の対象としている速度は約20~100m/sである。鋼板および鉄筋コンクート板部材のいずれも、衝突初期に発生する局部的な応答や飛翔体の貫入によって飛来物が有している運動エネルギーの多くが吸収されることがわかった。次に、柔飛翔体が衝突する場合の破壊低減メカニズムについて検討を行った。柔飛翔体が座屈等によって変形する場合には、変形によって吸収されるエネルギーの大小に応じて、衝撃荷重~時間関係が変動する過程を解明した。最後に、超高強度繊維補強コンクリートやステンレス鋼材による耐衝撃補強効果について検討を行った。超高強度繊維補強コンクリートでは繊維の混入量によって破壊が大幅に低下すること、またステンレス鋼材の場合には破断ひずみが大きいことにより破壊を抑制することを明らかにした。
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