我が国では山岳道路トンネルが約10,000本が存在しているが,全てが健全な状態にあるわけではない.例えば当初は微細なひび割れが発生し,それが徐々に進行して最終的にせん断ひび割れを生じて破壊に至るような中~長期的にわたって変状が生じる場合や,大規模に衝撃的かつ急激に破壊,すなわち短期的に荷重が作用する場合等がある.本研究ではトンネルの挙動に関する計測結果をもとに,変状の時間的な変化や,トンネル模型を用いた載荷実験を行い,載荷の過程や補強材料の差異による破壊状況の把握を通じて,トンネル構造の検討を行うにあたって荷重や変形に加えて,変形に関連するエネルギー量を考慮することが望ましい可能性を示した.
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