研究課題/領域番号 |
15K06223
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
山崎 浩之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 特別研究主幹 (10371759)
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研究分担者 |
金田 一広 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員(移行) (30314040)
大塚 悟 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (40194203)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 粘り強さ / 剛塑性有限要素法 / 地盤 / 残留強度 |
研究実績の概要 |
構造物が設計荷重以上の外力を受けた場合に、所期の性能は確保できなくとも完全に崩壊するのではなく、何割かの機能を維持する、「粘り強さ」が注目されている。本研究では地盤-構造物を念頭に、室内要素試験、模型実験、数値解析(静的弾性有限要素法、剛塑性有限要素法)などを行い、「粘り強さ」を適切に評価することを目的としている。 平成28年度は、粘り強さに関して、ケーソン式護岸の振動台実験およびその解析、防波堤の津波作用時の挙動を検討した既往の模型実験に対する数値解析を実施した。 護岸の振動台実験では、標準断面としてケーソン背後に単に裏埋めを行ったケース。粘り強さを増すために、ケーソン重量を大きくしたケース、ケーソン前面に腹付けを設けたケース、ケーソンを地中に根入れさせたケースの4ケースを行った。その結果、ケーソン前面に腹付けを設けること、あるいはケーソンを地盤中に根入れすると大幅に粘り強さが向上することが確認できた。また、ケーソンの重量を増すことによる効果はあまり大きくないことがわかった。実験結果を静的な数値解析で再現することを試みたところ、定性的には各ケースの粘り強さを評価できた。しかし、変形量の絶対値については外力が地震動の場合には動的な効果を考慮しないと再現させることができないこと、またケーソンと地盤の境界の処理を工夫しないと変形形態を再現できないことがわかった。 防波堤の模型実験に関する数値解析では、数値解析により津波作用時の防波堤模型の挙動を再現でき、津波に対しては、剛塑性有限要素法が適用できることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、護岸を対象とした模型振動台実験を行い、護岸断面の形状により挙動が大きく異なることが確認できた。また、防波堤については、提案している剛塑性有限要素法により津波作用時の模型実験結果を適切に再現できることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
模型実験の解析を進めるとともに、追加の模型実験を適宜実施し、数値解析モデルの構築を進める。また、粘り強さの適切な評価手法の提案を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
護岸に関する振動台実験の模型断面の種類、地盤条件を追加し実験を行う。また、数値計算に関しては動的解析なども含め精度向上を行う。
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