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2015 年度 実施状況報告書

沿岸域における細粒懸濁物の動態解明に基づく物質循環像の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 15K06227
研究機関東京大学

研究代表者

鯉渕 幸生  東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60349800)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード細粒土砂 / モニタリングシステム / 生物付着 / インターバルカメラ
研究実績の概要

本研究においては、新たな細粒懸濁物のためのモニタリングシステムを開発し、これによる観測網を構築・運用することで、細粒懸濁物について、これまでよりも詳細な情報を得ると同時に細粒懸濁物に関連した物質循環メカニズムを解明することを目的としている。
本年度はモニタリングシステムの開発の一環として、長期運用可能なインターバルカメラを開発して、これを実海域において運用した。
インターバルカメラについては、長期間小さな電力で安定的な撮影をするためのシステムを構築した。また、レンズにマクロレンズを使用することで、画角の向上につとめた。これらを海底に長期間設置すると、機器の錆が問題となるため、ケースについても、新たにアクリルを用いて開発した。アクリルケースは、2重のOリングと、シリコンによって防水性を高めた。さらに窒素を充填することで、防錆性を高めた。また通常の単2電池で動作するようにすることでメンテナンス性も高めた。
海底で長期間の撮影をする上では、生物付着による画像の劣化も問題となるが、これを解決するために、ワイパーシステムを新たに開発した。ワイパーには当初、潮汐流を利用して回転するスクリューのような形状のものを利用したが、それでは生物付着を防止する能力が弱く、画像に写り込む場合もあったため、サーボーモーターを用いた、自動車のワイパーと同様の形式とすることで、生物付着を長期間防ぐワイパーシステムを構築した。これら一連の改良をしたシステムについて実海域において検証している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度はモニタリングシステムの開発の一環として、長期運用可能なインターバルカメラを開発して、すでにこれを実海域において運用しており、概ね順調に進展している。
一方で、インターバルカメラを実際に運用する上では、当初の予想よりも生物付着による画像の劣化が問題となったため、新たにこれを解決するためのワイパーシステムを開発し、生物付着を長期間防ぐシステムを構築した。このシステムを現在実海域にて検証している。

今後の研究の推進方策

本年度はモニタリングシステムの開発の一環として、長期運用可能なインターバルカメラを開発して、すでにこれを実海域において運用しており、概ね順調に進展している。
さらに今後は、カメラとして画像を保存するだけで無く、ビデオを保存できるように改良することで、現象の時間変化をより詳細に観測できるように工夫することが望まれる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Occurrence and partition ratios of radiocesium in an urban river during dry and wet weather after the 2011 nuclear accident in Fukushima2016

    • 著者名/発表者名
      Michio Murakami, Nao Shibayama, Keisuke Sueki, Goro Mouri, Haechong O, Mihiro Nomura, Yukio Koibuchi, Taikan Oki
    • 雑誌名

      Water Research

      巻: 92 ページ: 87-93

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sediment-associated radiocesium originated from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant flowing from Ohori River to Lake Teganuma2015

    • 著者名/発表者名
      Koibuchi, Y., Murakami, M., Sueki, K. and Onda Y
    • 雑誌名

      Journal of Water and Environment Technology

      巻: Vol.13, No.3 ページ: 249-261

    • DOI

      10.2965/jwet.2015.249

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Numerical Simulation and Remote Sensing for the Analysis of Blue Tide Distribution in Tokyo Bay in September, 20122015

    • 著者名/発表者名
      Higa, H., Koibuchi, Y., Kobayashi, H., Toratani, M., and Sakuno, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Advanced Simulation in Science and Engineering

      巻: 1 ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東京湾における海色リモートセンシングを用いた水環境モニタリング手法の提案2015

    • 著者名/発表者名
      比嘉紘士,鯉渕幸生,小林拓,虎谷充浩,作野裕司
    • 雑誌名

      土木学会論文集B2(海岸工学)

      巻: 71(2) ページ: I_1735-I_1740

    • 査読あり
  • [学会発表] 長期インターバルカメラを用いた移植サンゴの生残・成長解析2015

    • 著者名/発表者名
      塚本拓人、山本秀一,安藤 亘,石岡 昇, 内田 智・中村浩介,鯉渕幸生
    • 学会等名
      サンゴ礁学会
    • 発表場所
      慶応大学三田キャンパス(東京都、港区)
    • 年月日
      2015-11-26 – 2015-11-30
  • [学会発表] Development of Standard Test Methods for Evaluation of ROV/AUV Performance for Emergency Response Applications2015

    • 著者名/発表者名
      Adam Jacoff, Kamel Saidi, Robert Von Loewenfeldt, Yukio Koibuchi
    • 学会等名
      Oceans 15
    • 発表場所
      Washington DC(アメリカ)
    • 年月日
      2015-10-19 – 2015-10-19
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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