本研究では,流体・構造連成災害などに見られるような,流体と固体間の運動量と熱の連成を伴うマルチフェイズ現象を対象とする並列計算手法を提案し,その有効性を検討した.解法として,(1) Lagrangian-Eulerianモデルと,(2) full-Eulerianモデルの2種類の解法を提案した.これらの解法では,抗力係数のような経験則を使用せず,現象を従来の解法より高精度に予測できる.並列演算手法を導入し,スーパーコンピュータによる大規模計算を行った結果,実験結果とよく一致する計算結果が得られるとともに,数値実験結果では物理的に妥当な計算結果が得られることが確認され,解法の有効性が示された.
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