本研究では、発展途上国など水に関する観測や情報が不足している地域に適用可能な水災害危険度分布評価手法を開発した。本手法は、大きく二つに分かれている。一つは人工衛星画像と水理計算による浸水深推定手法であり、もう一つは既往水害時の推定浸水深と被害額に基づく浸水被害関数推定手法である。前者は、人工衛星画像から得られた既往水害時の浸水域の広がりになるべく近くなるような浸水域の水面形を水理計算で求めることによって浸水深を推定するものであり、後者は、前者の方法によって推定された浸水深とそれに対応する被害額のペアから、被害関数を推定するものである。これらをベトナムの低平流域に適用し、両手法の妥当性を示した。
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