研究課題/領域番号 |
15K06239
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研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
竹内 貴弘 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40305983)
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研究分担者 |
木岡 信治 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員(移行) (20414154)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 摩耗現象 / 結氷海域 / 海岸・海洋構造物 / 劣化予測 |
研究実績の概要 |
研究目的は、①海氷移動に伴う構造物の摩耗現象(凝着やアブレシブ摩耗)の既存の実験データの検証・追加実験ならびに理論およびシミュレーション手法の構築、②個別要素シミュレーション(DEM)による実海域の氷象を考慮に入れた複雑な氷の作用形態下での接触氷圧力分布の評価と構造物の応答変形、③要素試験により海氷移動に伴う構造物の腐食摩耗現象の把握、④実海域の海氷との相互作用を考慮に入れたランダムな接触氷圧力の推定法、⑤室内試験や現地暴露試験等による海氷移動に伴う構造物の摩耗機構に基づく劣化対策(補修技術の提案)の検討としている。そこで平成28年度は、低温恒温室内において海氷の接触を模擬した構造物表面の材料損耗(摩耗)に関する要素試験を、概ね予定通り実施することができた。これにより海氷移動に伴う摩耗機構の発生に与える各種因子(氷温、圧力、砂、錆層)の影響を把握できた。次に、摩耗の定量評価に不可欠な“接触氷圧力”については、実海域の氷象に注目した接触氷圧力のシミュレーション、及び実海域の海氷によるランダムな接触氷圧力の検討についてもほぼ予定通り実施した。さらに、昨年度の検討結果を基に、新たに補修技術のための現地暴露試験に着手した。当該研究は、腐食環境下を含めた海氷・砂による摩耗量の評価すること、及び実海域の複雑な氷象、物理特性値のばらつき、ランダムな局部氷圧力の考慮、さらに、連続体力学の適用が困難な流氷群(粒状体/不連続体)による複雑な作用形態の解析にDEMを適用し、氷群の挙動や構造物への側部接触圧力の推定法に寄与すること、また、国内のアセットマネージメントでは空白部分である氷海域の海岸・海洋構造物の劣化予測と効果的な補修等といった対策技術法を新たに示すことでLCCに配慮した設計へ寄与することに意義や重要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画されたほぼ内容通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの進捗状況から判断すると、今年度以降も当初の計画通りに進めていくことで問題はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
検討結果(現在の対策案や予算範囲内での実施可能性についての考慮を含む)に基づく現地暴露試験の着手案によるものと相互の打合せ出張を効率化したため
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次年度使用額の使用計画 |
一部の補足試験の実施と成果・打合せ出張旅費にあてる。
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