研究課題
第5回東京都市圏物資流動調査を用いた解析の発展形として,「三環状道路概成などの交通条件変化」→「物流施設の立地場所の変化」→「物流施設の立地規模の変化」→「トラック発生量の変化」という,都市政策でも重要な因果関係を定量化する方法論の開発に成功した.その成果は,2016年9月に行われた物流に関する国際学会,the sixth Transportation and Logistics Conference (T-LOG) 大会で評価され,論文連名者で発表者でもある,修士2年生のSeiji Lidasan君は,大会中,唯一の「若手優秀研究者賞」を受賞した.より具体的に,受賞の内容を説明すると,物流施設の立地選択と,規模決定を,Sample Selection model (Tobit type II) で同時決定し,トラック発生量をTobit type I で説明するという構造である.これにより,前述した三段階の因果構造を定量的に把握することが可能であることを示し得た.東京都市圏の物流調査の特長を十二分に活かした成果であったと評価できる.特に,トラックの発生量データには商用車プローブデータを用いており,最前線のデータ利活用を行うことができた.プローブデータを用いた分析事例は昨今,激増しているが,商用車プローブデータを用いる例は限られており,本研究で,その有用性を立地選択モデルと連動して明らかにできたことには大きな意義がある.
2: おおむね順調に進展している
審査付き論文も,和文で1編,英文で7編を数えるに至り,対外的にも十分な成果が達成されていると評価できる.
東京都市圏物資流動調査を用いた解析はほぼ終了しており,その方法論を他都市や他国にどのように移転できるかを検討する予定である.
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すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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巻: 60 ページ: 110-118
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