本研究は、災害などの不確実性に対する頑健性の大きい、すなわち、信頼性の高いサプライチェーンネットワーク(SCN)や交通ネットワークについて検討した。サプライチェーンと交通には相互作用があるので、双方のネットワークの挙動を考慮したモデルを援用・拡張した。モデルの拡張においては、ネットワークの状態の経時的変化、すなわち、不確実で動的な状態遷移を明示的に考慮した。種々の数値計算を通じて、SCN上の各主体の利潤・余剰、商品や物資の供給量・消費量の変化に基づいて、サプライチェーンの頑健性や交通ネットワークの脆弱性を推定するとともに、信頼性を向上させる方策について考究した。
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