本研究では都市の重要インフラである鉄道の耐災害性向上に資する知見を得ることを目的に,東京圏を対象として次の分析を行った.1)都市鉄道ネットワーク上の複数リンクが同時に途絶する状況を想定した脆弱性評価手法を開発し,首都直下地震の発生を念頭に置いた分析を行った.2)鉄道の運行状況に基づきOD間の接続性を判定して目的地への到達可能率を算定する手法を開発し,震災時の運行再開のあり方を検討した.3)気象災害時の鉄道の脆弱性について,列車の運休・遅延が利用者へ及ぼす影響という観点からビックデータを用いて時空間的に分析した.以上の結果を基に,鉄道事業者や行政における災害対策の充実化について検討した.
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