次世代路面電車システム(LRT)の導入が日本で進まない理由の一つが、道路交通環境の変化である。特に自動車依存型都市におけるLRT導入は、既存の道路空間を占有することで自動車交通の新たな渋滞を引き起こす。そこで、本研究ではLRT新設が道路環境に与える影響を多面的に分析し、評価した。 宇都宮と池袋を対象とした分析の結果、LRTの専用軌道は一定の渋滞を発生させる。しかし、同時にLRT分担率が向上し、迂回交通も発生するが、基本的に代替路の存在が重要となる。また、導入時の合意形成にはCG等を用いた事業理解が有効である。渋滞する一方で、良好な道路空間を創出することを利用者に理解してもらうことが大切となる。
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