本研究では,実際のアマモ場内外の環境を調査することにより,アマモ場内外の環境の違いについて把握し,アマモ場自身がそうした環境の変化に対して持つ役割について考察した.その結果,アマモ場内ではアマモ場外に比べて底質粒径が粗く,アマモの生育に適した環境になっていることが明らかになった.また,アマモ場内で懸濁物の沈降が多くみられた.一方,アマモ場外では干潮時に濁度が上昇する傾向がみられ,アマモ場内ではそうした潮汐流による激しい懸濁物質の移動が制限されていることが推察された.以上の結果を踏まえ,アマモが繁茂することにより,アマモ自身がアマモに適した生育環境を作り出している可能性が示唆された.
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