本研究では反芻胃の構造と機能をモデルに、反応槽内の撹拌速度や担体投入が草本系バイオマスのメタン発酵に及ぼす影響を検討した。研究の目的は反応槽内で固形性基質や微生物を不均一に分布させることや多様な微生物を高濃度に保持することで高効率発酵を実現することである。 研究の結果、撹拌は反応槽内が均一になる完全混合より、汚泥やセルロースが底部に沈降する程度の撹拌(今回は10 rpm)がメタン発酵に有利であり、その撹拌条件では水理学的滞留時間8日でセルロース分解率79 %以上になること、浮上性担体の投入はメタン生成には大きな影響を及ぼさないが、菌叢の多様性が増し、細菌数も増大することが判明した。
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