本研究では,給配水システムの微生物リスク管理において重要なレジオネラ属細菌を対象として,リスク増大因子の探索を行った。特に,水道システムにおける生態情報が不十分な自由生活性アメーバ(FLA)のレジオネラ再増殖に対する寄与を評価するため,貯水槽水道の給水栓を対象として,レジオネラおよびFLAによる汚染と塩素中和後のFLA共存/非共存系におけるレジオネラ再増殖を調べた。その結果,FLA共存試料中でレジオネラの再増殖や生残性が高まる反面,従属栄養細菌は非共存系においてFLAの捕食を免れて増殖量が増大する傾向であった。また,0.4 mg/L以上の塩素残留条件では,FLAは不検出となることが示された。
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