研究実績の概要 |
下水汚泥の全固形物質(TS)約10%および約15%の超高濃度嫌気性消化において,余剰汚泥部分に前処理を組み合わせ,消化性の改善とアンモニア阻害の低減について実験的に検討した.前処理は,流入TS約10%は加熱処理(130℃,1時間),約15%は加熱処理に続けてアンモニアストリッピング(約80℃,初期pH約9,3時間)とした.前処理が組み合わされると,両流入濃度ともVS分解率は約4%上昇したが,メタン発生率の向上はわずかだった.流入TS約15%では,アンモニアストリッピングによって消化汚泥中アンモニア性窒素が平均約3,100mgN/Lに抑制されたことが良好な運転につながった.よって,余剰汚泥の前処理を用いれば,流入TS約15%まで優れた超高濃度嫌気性消化が可能なことが示された.
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