本研究は、下水汚泥の嫌気性消化において、窒素およびリンを回収するとともに、消化性の改善を行いながら投入下水汚泥の超高濃度化を図ったものである。下水汚泥濃度約10~20%、水理学的滞留時間20または30日、後処理方式または流入余剰汚泥への前処理方式でアンモニアストリッピングを組み合わせた結果、VS分解率50%以上、ガス発生率0.5NL/gVSが得られ、約20%まで嫌気性消化の可能なことが実証された。流入窒素の最大40%にあたるアンモニアの除去・回収が達成され、また、リン酸が高濃度に溶出し、高効率なリン回収の可能性が示唆された。一方、超高濃度に伴って消化汚泥の高粘度化と難脱水性化も観察された。
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