本研究の目的は,既存袖壁付きRC柱にPVA繊維補強モルタルを外部から吹付けて増打ちし,住みながらの補強を可能とした耐震補強構法を開発することである。 本構法は既存部と補強部との一体化を図るために,あと施工アンカーを上下部の梁側面に打込み,次に外面の既存壁にせん断補強用の鉄筋格子を配置し,最後にPVA繊維補強モルタルを吹付けて増打ち補強するものである。本研究では,その構造性能を明らかにするために補強量を要因とした6体の曲げせん断実験を行った。その結果,本補強構法により既存袖壁付きRC柱の耐力,変形性能を向上できることを示した。さらに,本補強構法に関しての補強設計法を提案し,その妥当性を示した。
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