長周期地震として知られる1985年メキシコ地震において被災した14階建鉄筋コンクリート(RC)造集合住宅ヌエボ・レオン棟の倒壊に至る機構を実験と数値解析により解明した。ヌエボ・レオン棟は当初1秒であった固有周期が,震動過程で2秒まで増大して共振が発生するとともに,エクスパンション・ジョイントを介して隣接する棟同士の衝突が建物倒壊の原因になったと推定される重要な事例である。本研究は,(1)震動過程の固有周期変化,および(2)棟間衝突が建物の損傷・倒壊を引き起こす機構を解明し,長周期地震動時の損傷防止を目的とした設計や検証に利用できる数値モデルを構築した。
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