研究実績の概要 |
平成29年度は、1) 再生細・粗骨材を使用した高流動・高靭性コンクリート(以下、R-HFCと略記)を鉄筋コンクリート(以下、RCと略記)部材に適用した場合の効果を数値解析的に検証する場合に必要となる、R-HFCの力学モデルについて検討を行った。2)R-HFC製RC梁試験体の載荷試験および数値解析を行い、R-HFCをRC部材に適用した場合の性能向上メカニズムについて検討を行った。3)R-HFCの強度発現試験および収縮試験を行い、R-HFCの長期性状について検討を行った。 検討の結果、本研究の範囲において、以下の知見が得られた。 上記の1,2) 力学モデル構築、RC梁試験体の載荷試験および数値解析について:同一水結合材比であれば、R-HFC製RC梁試験体の最大荷重>再生細骨材を使用した高流動・高靭性モルタル(以下、R-HFM)製RC梁試験体の最大荷重となることを、圧縮強度、引張強度および引張終局ひずみの相違に着目することにより把握できる。水結合材比の低下に伴い、R-HFC製RC梁試験体の最大荷重が増大する傾向を、本解析手法を用いることにより、概ね評価できる。 上記の3) 長期性状試験について:R-HFCは、材齢91日においても、十分な曲げ靱性およびひび割れ分散性を有している。水結合材比を定めれば、本研究で示した手法により、R-HFCの材齢91日までの圧縮強度発現(圧縮強度およびヤング係数)が推定できる。圧縮強度が50N/mm2以下の範囲において、R-HFCの圧縮強度を定めれば、本研究で示した手法により、曲げ強度発現(曲げ強度および引張強度)が推定できる。R-HFMに鋼繊維および再生粗骨材を混入し、R-HFCとすることで、収縮ひずみを大幅に低減可能である。
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