風車のブレードが回転することで発生する周期的な変動音が,しばしば施設周辺の住民に対して聴感的な煩わしさを引き起こすと言われている。本課題では,この変動音成分の特性を解明するため,様々な気象条件下にてフィールド実験を実施した。また音響データから変動成分を抽出する実用的な方法についても検討した。主な成果として,風車騒音に含まれる変動成分には明確な指向特性を有し,特にナセル前方60度方向で強くなることなどを明らかにした。さらに,風車騒音のレベル自体は徐々に低下していくが,周期性変動成分の強さは200m程度離れた点でも2dB以上になり,人に知覚され易いレベルであることも確認した。
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