建築空間において非常放送などが障害なく伝わる安全で高品質な音響空間を創造するため、壁面の凹凸や物体による音の拡散効果を表す散乱係数を測定する方法について検討した。 本研究で得られた成果は以下の通りである。1、壁面の凹凸だけでなく空間に存在する物体の散乱係数も測定できる基本アルゴリズムを確立した。2、壁面や物体の吸音の影響を除去して音の散乱効果のみを定量化する方法を確立した。3、ランダム入射散乱係数だけでなく、垂直入射散乱係数および2次元入射散乱係数の測定法も提案し、それらの音響設計における利用法を示した。4、音場の拡散性を評価する指標として時系列変動係数と周波数変動係数を提案した。
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