研究課題/領域番号 |
15K06345
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
川崎 興太 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (20598578)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 福島第一原子力発電所事故 / 地震・津波被害 / 放射能被害 / 環境復興まちづくり / 除染 / 福島 |
研究実績の概要 |
本研究は、福島県を中心とする東日本大震災および福島第一原発事故の被災地域を対象として、「スマートシティ」や「再生可能エネルギー」などの“環境創造”と、「除染」などの“環境回復”の両面から、“環境復興まちづくり”の実態や課題を総合的に明らかにするものであり、今後の被災地域における復興まちづくりのあり方、そして、我が国の環境まちづくり政策のあり方を検討する上で重要な意義を有するものと考えられる。 本研究の初年度にあたる2015年度には、主として、以下のような調査・研究を実施した。 1.“環境創造”に関しては、特に、環境未来都市に選定されている福島県の南相馬市と新地町、宮城県の岩沼市と東松島市、岩手県の釜石市と大船渡市・陸前高田市・住田町の6都市を重点的な対象として、アンケート調査、ヒアリング調査、現地調査などを実施し、環境未来都市計画の進捗状況や問題点を詳細に把握した。また、福島県内の市町村を中心として、防災集団移転促進事業や防災緑地整備事業などの復興まちづくりとあわせた環境復興まちづくりの実態や課題に関する分析・考察を行った。 2.“環境回復”に関しては、除染特別地域に指定されている福島県内の11市町村、汚染状況重点調査地域に指定されている39市町村等を対象として、アンケート調査、ヒアリング調査、現地調査を実施し、福島の復興の起点であり基盤であるとの位置づけのもとに進められている除染の実績と課題、除染の政策的な位置づけの妥当性や合理性などについて体系的に分析した。また、いわゆる福島12市町村における復興拠点等の実態と課題、福島県内の各地区における農業復興の実態と課題などについて分析・考察を行った。 3.以上で得られた研究成果については、それぞれ論文としてまとめて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的に即して、ほぼ研究実施計画の通りに調査・研究を達成することができているため、「おおむね順調に進展している」との評価でよいように思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の2年度目にあたる2016年度には、2015年度の成果を活かしつつ、環境復興まちづくりに関する住民の評価を明らかにするとともに、国内外の先進事例調査を行いたいと考えている。
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