研究課題/領域番号 |
15K06350
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
野原 卓 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10361528)
|
研究分担者 |
川原 晋 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10367047)
岡村 祐 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (60535433)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | エリアコンバージョン / エリアマネジメント / アセットマネジメント / エリアプロモーション / 産業都市 / モノづくりのまちづくり / 産業まちづくり |
研究実績の概要 |
本研究は、産業構造の変革に伴う都市衰退の進む産業系市街地において、持続的な地域再生を進めるために、既存の産業的価値や既存ストックを活かしつつ、産業と生活の共生する都市更新手法(エリアコンバージョン)を、ストックマネジメント(不動産的視点)、コンテンツマネジメント(産業的視点)、ネットワークマネジメント(人的資本に関する視点)という3視点を通じて構築し、その可能性を検討するものである。 3年目である平成29年度は、先行研究を基に実施しているエリアプロモーション実証実験である「おおたオープンファクトリー」の実施を通した「モノづくりのまちづくりプラットフォーム」としての機能の確認とともに、オープンファクトリー手法の水平展開の状況を確認することができた。また、「全国モノづくりのまちづくり調査」の実施を通して、日本の他都市における、産業まちづくり(コンテンツマネジメント)の水平展開の様子を概観的に把握することができた。さらに、平成29年6月には「一般社団法人おおたクリエイティブタウンセンター」を設立し、ネットワークマネジメント構築のための拠点形成の実践的研究に着手する体制が整理された。上記実証実験(おおたオープンファクトリー)およびストック活用型拠点形成実験(くりらぼ多摩川)を通じたクリエイターや産業従事者との連携ネットワークの拡大現象は確認できたが、これをさらなるネットワークに発展する方法及びその結果、地域における効果等については分析できていないため、平成30年度に分析を継続的に実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ストックマネジメント実証実験(くりらぼ多摩川)、エリアプロモーション実証実験(おおたオープンファクトリー)はそれぞれある程度達成されたが、これらの地域における効果検証(浸透度など)に関する調査が進んでいないため、平成30年度に進める必要がある。また、全国モノづくりの街づくり調査を始め、これまで重ねてきた成果の整理も進んでいないため、進めてゆく必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
遅れている地域におけるエリアプロモーション・ストックマネジメント実験の効果検証を進めてゆく。また、ストックマネジメント実証実験(くりらぼ多摩川)、エリアプロモーション実証実験(おおたオープンファクトリー)、ネットワークマネジメント実践検証(大田クリエイティブタウンセンター)を統合的に整理することによって、産業市街地におけるエリアコンバージョンの方法論の整理を進めてゆく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画時における海外事例調査が調査計画予定時の形では十分に行えなかった点、当初予定していた地域におけるエリアコンバージョンの効果検証に関するアンケート調査が実施できなかった点、成果の発信、整理が進められなかった点などが要因であった。次年度は効果検証のアンケート調査実施、成果のまとめも含めた勉強会の開催、発信媒体(冊子等)による整理を計画している。
|