研究課題/領域番号 |
15K06357
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
加藤 彰一 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80185834)
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研究分担者 |
毛利 志保 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60424941)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ファシリティマネジメント / BIM / 建築計画 / EBD / PBL / 問題発見解決型学習 / ラーニングコモンズ |
研究実績の概要 |
BIM: Building Information Modeling は、3次元モデルをコンピュータ上で実際の建物のように組み立てながら設計する手法であり、建築の設計・施工・管理に多面的で多大な革新をもたらしている。本研究では、大学におけるBIMに関する教育法を開発することを目的としており、具体的な授業方法として、PBL: Problem Based Learning問題発見解決型学習を活用する。平成27年度は、最初の年度であり、以下のことを行った。 1.BIMモデルの作成:具体的な建設プロジェクトである「あいち小児保健医療総合センター救急棟増築工事」に参画し、BIMモデルの作成に関与した。 2.上記の用いたBIMシステムとしてXEONプロセッサーを搭載したパソコン2台、PBL授業に用いるシステムとしてノートパソコン2台、液晶プロジェクター2台、関連するパソコンパーツなどを購入した。 3.BIM利用に関する研究発表をedra: environmental design research association米国環境デザイン学会およびJFMA日本ファシリティマネジメント協会の年次総会で行い、また、IFMA国際ファシリティマネジメント協会総会に出席し、研究交流や資料収集を行った。 4.BIMに関する米国の主要文献を購入し、輪講を行い、BIM活用に関する知見を高め、上記の米国の学会参加時に大学でヒアリング調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
BIMモデルの作成と活用に関して、株式会社安井建築事務所の設計による「あいち小児保健医療総合センター救急棟増築工事」に参画することができたため、同社が作成したBIMデータを直接に利用して、医療機器や什器・備品のデータを加えて、医療・看護スタッフと施設利用に関する検討を行うことができ、BIMモデルの作成と活用に関する研究発表を行った。 また、大学におけるBIM教育に関して、日本ファシリティマネジメント協会総会JFMA Forum 2016で発表し、実務者に向けてBIMの多面的利用の状況やそれを踏まえた教育に関する発表を行った。 フルペーパー発表ではないが、実用的な内容を持つ、先進的な研究発表を行えており、当初の計画以上に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度より、ファシリティマネジメントやBIMを主要テーマとする学部2年後期の授業を開始する予定であり、これまでのBIM利用に関する分析をもとに、ビデオ観察調査、電子黒板活用調査、グループワーク時間分析など、学生の学習に関する調査研究を推進する予定である。また、学部3年後期の「建築設計製図4」第2課題「複合的な医療・福祉施設」において、BIM利用・グループ設計を前提とした課題設計を行う。グループの構成では、意匠・構造・設備といった担当や設計者・施工者・管理者といったロールプレーなどを導入し、前述のグループワーク分析の成果を踏まえた、コラボレーション活動の分析を行い、ポイントを抽出する。また、以上を踏まえて郵送アンケート調査による分析・考察を行い、施設整備指針の策定に向けた準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコン部品などの消耗品の購入の際に差額が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
パソコン部品などの消耗品の購入に利用する予定である。
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