研究課題/領域番号 |
15K06380
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
加藤 仁美 東海大学, 工学部, 教授 (00152736)
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研究分担者 |
大澤 昭彦 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (80619809)
中西 正彦 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 准教授 (20345391)
杉田 早苗 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90313353)
桑田 仁 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (50276458)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 総合設計制度 / 許可準則 / 運用 / 東京都 / 大阪市 / 横浜市 |
研究実績の概要 |
2016年度は、昨年度の継続研究として、インセンティブ手法の代表例であり、自治体の主体的運用が必要な総合設計制度について、制度と自治体の受け止め方・運用の変遷を明らかにするため、国の許可準則等および主要自治体であり同制度の運用実績も多い東京都、大阪市、横浜市の基準と運用の変遷について分析・考察し、その成果を査読付き論文として投稿した。その結果、国と地方自治体の制度の考え方や運用に違いがあることはもちろんのこと、地方自治体の間でも共通点と相違点があることを具体的な制度に即して示した。知見として、市街地形成における自治体裁量型の手法を活用するには、総合的な政策体系からの位置づけ、都市構造なども踏まえた適用対象地域との関連付けと方針設定、周辺環境を十分考慮しうる基準と運用などを推し進めることが必要であることが、明らかとなった。 さらに、引き続き、1980年に創設された地区計画制度について、制度設計の検討に携わった建設省住宅局、都市局、学識経験者といった関係主体の立場を踏まえながら、地区計画制度が必要とされた背景や制度の検討過程を整理、分析し、地区計画制度の制度設計にあたっての論点とともに、制度創設時に抱えていた課題を明らかにするための調査研究を行っている。来年度初頭には、成果を公表する予定である。 今後は、都市計画法50年、建築法100年にむけて、種々の制度設計のプロセスについて、敷地から都市レベルまで、国の住宅局と都市局の考え方等を基軸とした分析も視野に入れて、その経緯を追跡していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
建築基準法及び都市計画法による住環境に大きな影響を与えた制度として、これまでに、日影規制(1976)、総合設計制度(1970)、そして地区計画(1980)と、制度設計の経緯を当時かかわった建設省OBや典型的な運用実績をもつ自治体へのヒアリングを通して明らかにしてきた。これまでの調査で確実に研究成果が蓄積され、次世代の制度構築に役立つ知見を得つつある。とくに、現在調査中の地区計画制度(都市計画法及び建築基準法改正による)の制度化の追跡の中では、建設省の住宅局と都市局の考え方が明らかになりつつあり、他の制度設計に関する貴重な情報の手がかりを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在調査中の地区計画制度(都市計画法及び建築基準法改正による)の制度化の追跡の中では、建設省の住宅局と都市局の考え方が明らかになりつつあり、他の制度設計に関する貴重な情報の手がかりを得ることができた。今後も、これらの情報を整理し、都市計画法50年、建築法100年にあたって、種々の制度の検証と新制度の構築にむけた提案作業を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の論文発表会場のうち1か所が関東圏であったため、出張旅費の経費が軽減され、当該助成金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度の調査費用として、調査出張旅費、資料収集経費、ヒアリング調査関係謝金、論文投稿費用に充てる計画である。
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