本研究は、障害者の独立世帯形成における住宅条件を明らかにしようとするものである。 障害者の居住実態を把握するため、重度身体障害者と知的障害者へのアンケート調査を実施した。事故により重度身体障害者となった者の多くは持家を取得し、病気原因や先天性障害の者は、親の家か民営借家に暮らすという、住宅の階層化がみられた。知的障害者の調査結果を親との同別居別にみると、同居者とその親の年齢は、別居者のそれらより低く、本人と親が高齢となるにしたがって別居する傾向がみられた。 重度身体障害者、知的障害者ともに、親元からの独立希望があるものの、住まいの選択肢が少ないために親同居の継続を選択している実態があった。
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