研究課題/領域番号 |
15K06392
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
小林 健一 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80360692)
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研究分担者 |
竹宮 健司 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70295476)
小菅 瑠香 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (50584471)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 病院 / 病棟 / 病室 / 地域包括ケア / 建築計画 |
研究実績の概要 |
本研究は、平成26年診療報酬改定で創設された地域包括ケア病棟を対象として、その運営と施設整備の状況を明らかにすることで、同病棟の計画に関する基礎的知見を得ることを目的とする。平成29年度は、運営実態からみた病棟の再類型化、病棟平面構成の分析、現地視察・ヒアリング調査の3項目を実施した。 研究期間全体を通じて得られた研究成果として、アンケート調査と訪問ヒアリング調査により、運営実態からみた地域包括ケア病棟の5類型を示した。また療養環境に求められる諸室・諸スペースを提言した。 1.病棟の類型化 地域包括ケア病棟では地域の医療ニーズに合わせた運営が行われている。本研究では下記の5類型に整理した。(1)自院急性期・予定入院型:自院の急性期病床からの予定入院の受け入れを主としている病棟。(2)内科特化型:入院患者の主な診療科が内科である病棟。急性期から慢性期までを担う大規模病院での運営、地域の医療ニーズに合わせた運営など様々なパターンがみられた。(3)整形外科特化型:入院患者の主な診療科が整形外科である病棟。(4)自宅・緊急入院型:自宅からの緊急入院の受け入れを主としている病棟。自院にない機能を近隣の総合病院で補完する事例があった。(5)他院・急性期予定入院型:他院の急性期病床からの予定入院の受け入れを主としている病棟。グループ内の後方病床となっている事例があった。 2.療養環境について 施設類型に関わらず、地域包括ケア病棟では、以下の諸室を整備する必要が高いことが示唆された。(1)面談室:在宅復帰までの面談の頻度が高く、参加人数も多い。(2)リハビリ室・スペース:在宅復帰訓練ができる設備や環境が必要。(3)収納スペース:高齢患者の歩行器具やオムツ等を収納するニーズが高い。 地域包括ケア病棟が担う多様な機能と療養環境上の課題について、一定の知見を得ることができた。
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