ル・コルビュジエの建築・都市計画思想を基盤として、近代人としての建築家・都市計画家像を、いかにル・コルビュジエが模索・探究してきたかを考察した。その成果は(1)ル・コルビュジエに大きな影響を与えた思想家、例えばニーチェと共有する世界観の解明(2)この世界観を基準とした、独自の建築制作や都市計画の構想についての新たなる探求(3)ル・コルビュジエの、20世紀前半の「近代的世界観」と、彼の「古典的知識もしくは素養」に基づく「古典的・正統的世界観」との、対立と融合を巡る考察 (4)ル・コルビュジエの、「ヴォリューム」・「表面」・「平面」を巡る論考の中のカント的世界観を援用した「崇高」概念の解明など。
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